会津の鋸鍛冶屋

蒲生氏郷公-会津藩の推奨産業として刀剣等と共に多くの鍛冶職人を生み出し、その技能は越後、東北、更には江戸方部へと拡散しました。
私が子供の頃でも近隣には20を越える鋸に関わる家が有り、父の元で働く職人さんは勿論、多くの職人さんと出逢っていました。
しかし、世の趨勢で昭和40年代になり櫛の歯が抜けるかのように廃業が多くなり、今では私が会津では、たった独りになっています。

1944年生まれの鋸鍛冶屋


中屋伝左衛門鋸工場の三代目として、昭和38年から4年半を三条市の深沢家に弟子入りし、修業を積み父親、職人さんと汗を流して来ました。
しかし、世の中の生活環境に大きな変化が、敢えて言いますと、職人には厳しい環境に移行し、仕事に必要な物が手に入れる事が難しくなってきました。
やがて、廃業!
多くの鋸鍛冶屋さんが有って、見学させて頂いた事もある町には一軒も無くなってしまった事実が有ります。
30軒を超える鋸鍛冶屋が有った、此処 会津でも中屋伝左衛門鋸工場 私が最後の独りになつてしまつたのは20年前です。
廃業する前に、会津に昔は鋸産業があり、多くの鍛冶によって製作された鋸が全国に販売され、生活の為に活用された事を知ってもらいたい!
その思いが、折しもwindows95が公開された事でホームページを作るきっかけになりました。

その結果! 自身が使いたいが販売店が扱っていないので、ネットで検索し問い合わせを下さるのです。
辞められなくなってしまいました。

あれから 20年を越えました  デス。

上からの続き

Net活用の前までは問屋、小売店が取引相手だった為に、ユーザーの要望を正確に知ることが出来ませんでしたが、全国から送信される決して多くはないメールには多様な情報が含まれていたのです。
最も気持ちを変えさせたのは、多種職人さんが使いたいが手に入れる事が出来なくて困っている現状でした。

個々の要望に応える鋸を製作し、納品しますと良し悪し含めた返信を頂けるのです。
逃げる事なぞ出来ません。
強い張り合いの気持ちが湧き上がって来て、今が有ります。

写真は会津の絵師が描いた、鋸鍛冶の仕事を行程別に表されています。


鋸は薄身の刃物ですので、一気に所定の厚みには出来ません。少し削っては狂いを除去し、また削る。 
何度も繰り返して使用する人に使い勝手が少しでも良くなる様に相当な苦心をしている様子が見受けられます。

当家の菩提寺に、下村家の墓があります。
下村家は、槍と薙刀を造っていた刀匠です。
本家と分家が協力し合い、絶える事無く
会津藩に「下村家在り」と名を響かせていました。

主な製作行程

安来鋼-黄紙を使用します。
(加工用の鋸は、白紙使用でした)
大きさに合わせて切断します。
持ち手部分にはSC材を溶接します。
目になる部分をプレスします。
それぞれの目に下擦りの刃を付けます。

ここからが重要な、熱処理です。
焼き入れをします。
焼き戻しをします。

ここで大きな狂いが出ます。
一度で平らにはなりません。

グラインダーで削ります。
狂い除去をします。
、、、、
これを数度繰り返します。

頃合いの厚みになった所で表面を
滑らかにすべくバフ掛けをします。

最後に仕上げ狂い除去です。

ここからが、目立て行程です。

アサリを出します。
刃を付けます。

ヤスリで深く摺り込みますと、
鋸身に狂いが出る事が有る為に、
最終チェックの狂い修整をして仕上がりです!

詳細は下記URLから御覧下さい。

http://nakaden.web.fc2.com/sagyo.htm

「作ってみたい!」と血が騒いでいる貴方に。
最後のページを御覧下さい。

左の写真は <火を扱っている行程です>


上から「鍛造」
(焼いた鋼をスプリングハンマーで叩き、密度を高くします)

次の2枚は「焼入れ」
 明かりを遮断して温度を見ます。
(約800度に熱して冷却油で素早く冷やします)

最後は「戻し」
 (幅を持たせますが、約300度程の熱で柔軟性を持たせます)
 刃部を硬くし、峯の方は損傷を減らすべく、やや甘くします

納品ご依頼の流れ

ご注文を頂いても即納品とはしません。
お客様の用途等を お尋ねして役立てる、と
確証を持てましたら納品に向けての
進行になります。
納品したが、お役に立てなかった。  
 、、、、ではすみませんから。

マド鋸を購入の上、 写真添付のメールを頂戴しています 。



お買い上げ戴く前に、何通ものメールのやり取りを得ていますが、
やはり 実際に活用されていらっしゃるか?
常に気なっているだけに「買って良かった」「紹介の鋸で正解でした」等のメールには安堵させられます。
、、、、と同時に添付された写真を目にすると
 カメラに収めるための工夫が感じられて、その方のお気持ちを頂いたようで
「やった甲斐があったなぁ」と
嬉しくなる私です。

また、事故回避を確実になされている
様子には感服しています。

新聞紙上で目にする「伐採時の事故報道」には
 「どこに不注意が有ったのか!」
  と、憤りを感じています。

  • 【1はフォーム欄が開きます】アドレス入力ミスが無いように願います。返事が戻って来ます。
  • 1. お問い合わせ・メールが届きます
  • リンク 受信した感想のページ
  • 5月10日、市の緑化推進委員会の行事として関心を持つ市民19名が仕事場を訪れる事になった! 狭い仕事場を如何に片付けるか?何とか片付けて皆さんを招く事が出来た。 翌々日、スクールの中の一人が訪れた。 庭の木々の整備に鋸を買いたい! 80歳前後のオバチャンに「ハイ どうぞ」とは出来ない。 バスで帰るご自宅は北会津町。数種類の鋸持参で送って行った。 広いお庭は整備が必要状態。 同行して良かった。 オバチャンの鋸扱いは少しのアドバイスで充分だったし、持参した鋸が適合した。 今後の作業の進め方等を話して帰宅した。喜んで頂けた!

中屋伝左衛門鋸工場から一言

1944年生まれの体力では、新たな一からの製作は
困難な現状ですので、体力を多くは
必要とはしない目立てが主になっています。
縦挽き用鋸を要望するメールが多くなった事で
「横挽きの刃を縦挽き用の刃に摺り直せる
能力を活かそう! 出来る事を やらないのでは
生きてる意味が無い」と考えて思い当たったのが、
オークションサイトに見られる古い鋸です。

これを活用させる力が有る自分こそ、やるべきだ! 
古い鋸には、鋸身に、曲りや狂いが在る。
リスク覚悟で落札し、目を直してHPに掲載。
これまでに何人もの方に納品させて頂きました。
今後も続けます。

理由は「もったいない」からです。

ある日の目立て依頼

遠路、目立て依頼に来てくださった。
おじいちゃんが使用していた鋸です。
 一世代前の人が活用していたが、
機械化等、社会の変化により、
物置に保管されていた。
次の世代では存在すら知られず、
使わないままだった鋸。 
孫の代になった今、
手引き鋸が必要になり
陽の目を見る。 これが現状です。

まだまだ陽の目を見られない
宝物が眠つています。

家屋解体から業者により、
オークションサイトに
出品されている鋸が有ります。
目立てや鋸身の手直しを要するのが、
殆どです。
でも! 活用しましょうよ!
返信変形している目を、
一ヤスリ、一ヤスリ摺る毎に
刃が出来上がって行く!
楽しいですよ!
目立てを趣味としたら、
一挙両得!

鍛冶屋概要

事業所 会津若松、中屋伝左衛門鋸工場
代表者 五十嵐 征一
住所 福島県会津若松市相生町2-14
電話番号 0242-22-3345

徒然に

2015年 福島県林業、森林、緑化協会より表彰さる。
いわき市にて目立て講習会。
2016年 白河市にて
目立て講習会。
昨年の講習会では、愛用の鋸を手に真剣な表情で見て、聞いていらっしゃっる大勢の人の姿が印象的でした。

中屋伝左衛門鋸工場アクセス


電車でお越しの場合 : ~会津若松駅
お車でお越しの場合 : ~一方通行注意

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